札所17番定林寺除夜の鐘

秩父札所第17番 定林寺

【秩父市】

撮影日:2017年12月31日

札所17番定林寺除夜の鐘

近隣の方々が、一年間祀ったお札やお守り、しめ縄などをお寺に納め、お炊き上げが始まった。浄火によって燃やす事を「お炊き上げ」と言う。


札所17番定林寺除夜の鐘

除夜の鐘は、12月31日の0時を挟む時間帯に梵鐘を撞いて新年(元旦)を迎える行事である。定林寺の梵鐘は誰でも撞くことができる。


札所17番定林寺除夜の鐘

梵鐘を撞き終わると新年の無事と平安を願い、初詣が始まる。初詣は、新年になって、神社や寺院に参詣しその1年の幸せを祈願するが、松の内(1/7)までを初詣という。


札所17番定林寺除夜の鐘

参拝者には甘酒が振る舞われた。お屠蘇(おとそ)と呼ばれる、正月に飲まれる縁起物の酒があった。今では、その風習もなくなり、米農家の方々が収穫に感謝し、米麹(こめこうじ)で甘酒を造って神社や寺院にお供えするようになった。その流れで、参拝客にも甘酒を振る舞うようになった。


札所17番定林寺除夜の鐘

定林寺の鐘楼。梵鐘は日本百番観音霊場の本尊とご詠歌を鋳出した珍しいもので、工芸品として埼玉県指定有形文化財に指定されている。鐘の音のすばらしさから、秩父三名鐘の一つと言われている。お参り前に撞くと、お金が入ってくる「入りがね」とも呼ばれている。


札所17番定林寺除夜の鐘

梵鐘(銅鐘)の周囲に秩父、板東、西国の霊場百ヶ所観世音の御本尊像が浮彫に鋳出されている。梵鐘を分類すると、日本で造られた純日本式の「和鐘」、韓国で鋳造された「朝鮮鐘(韓国鐘)」、中国製の「中国鐘」に大別できる。日本に現存する鐘は、ほとんどが「和鐘」である。


札所17番定林寺除夜の鐘

秩父札所十七番、実正山・定林寺(じっしょうさん・じょうりんじ)。やや市街地を外れた、野寺の趣の深い寺である。宗派は曹洞宗で御本尊は十一面観世音菩薩を祀っている。別称を「林寺」といい、林家の持寺として開創された。


百観音の梵鐘が夜空に鳴り響いた!!

大晦日の夜、鐘楼の横でお炊き上げが始まった。境内には参拝者が集まり、お炊き上げの火で暖をとりながら新年を迎える瞬間を待つ。定林寺(じょうりんじ)の梵鐘は一般の方々が自由に撞ける。除夜の鐘は、日本の仏教にて年末年始に行われる年中行事の一つである。定林寺の梵鐘(銅鐘)には秩父、板東、西国の霊場百ヶ所の「百観音像」が、浮き彫りに鋳出され、「百ヶ寺」のご詠歌が刻まれている。精巧な作で貴重な工芸品として、「埼玉県指定有形文化財」の指定を受けている。除夜の鐘は多くの寺で108回撞かれる。この「108」と言う数の由来については、次のような説がある。人間には108つの煩悩(ぼんのう)がある事からその煩悩の数だけ鐘を撞き、煩悩を追い払うというものである。煩悩とは、欲望や怒り、苦しみなどの心の乱れを指す。昭和2年(1927年)上野・寛永寺よりNHKがラジオによって史上初めて「除夜の鐘」のタイトルで中継放送をした。現在は日本各地の寺院にて、除夜の鐘を撞かれながら年が明ける様子を「ゆく年くる年」のタイトルで全国中継している。

札所17番「定林寺」のある秩父市は、埼玉県の北西部の秩父地方にある人口約6万2千人の市である。秩父山地に囲まれた秩父盆地の中央部に中心市街地が位置している。秩父札所三十四ヶ所観音霊場は、文暦元年(1239年)開創と伝えられ、室町時代後期には秩父札所が定着していた。西国三十三ヶ所、板東三十三ヶ所とともに日本百番観音に数えられている。


撮影日:

撮影場所:秩父札所第17番 定林寺

住所:埼玉県秩父市桜木町21-3

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