「本堂(観音堂)」
奈良県桜井市「小初瀬山」中腹の断崖絶壁に立つ、懸(かけ)造りの大殿堂。崖にせり出す舞台を持った本堂である。「大悲閣(だいひかく=観音堂)」と書かれた大きな額が掲げられている。高さ10メートルを超える金色の本尊・十一面観世音菩薩が祀られている。
「総本山・長谷寺」
鎌倉の長谷寺をはじめ、日本各地の真言宗豊山派の総本山として、全国に3千余の末寺を持つ歴史のある寺院である。
「仁王門」
三間一戸入母屋造り本瓦葺きの楼門である。両脇には金剛力士像(仁王像)を安置している。現在の建物は、明治22年(1889年)の再建である。掲げられている「寺名額」の額字は、後陽成天皇の直筆と云われている
「登廊(のぼりろう)」
仁王門から本堂まで、399 段の屋根付き回廊が三廊に分かれている。明治27年(1894年)再建で、風雅な灯籠を吊している。
「本堂と鐘楼堂」
仁王門から「登廊」を登りきったところに「鐘楼堂」が建てられている。この鐘楼堂には「尾上の鐘(朝鮮鐘)」が吊り下げられている。
「本堂から望む五重塔」
本堂の舞台から右方向に目をやると、木々の間に純和風様式の朱塗りの、五重塔が望める。昭和29年(1954年)、戦後日本で初めて建てられた五重塔である。
「道明上人廟塔(墓)」
朱鳥元年(686年)の僧「道明上人」が、三重の塔を建立したのが寺の始まりと云われている。長谷寺の基礎を築いた僧である。
「開山堂」
長谷寺開山「道徳上人」が祀られている。神亀4年(727年)、道徳上人が東の丘に観音堂を建立、十一面観世音菩薩を祀ったのが長谷寺の始まりと云われている。
「弘法大師御影堂」
弘法大師入定(にゅうじょう=高僧が死ぬこと)1150年忌を記念して昭和59年(1984年)に建立された。
西国札所第8番 豊山・長谷寺を動画でご覧ください。
「豊山・長谷寺(初瀬寺=はせでら)の御朱印」
「豊山・長谷寺(初瀬寺)」
西国札所第8番の「長谷寺(はせでら)」は、大和國(やまとのくに)現在の奈良県桜井市にある、真言宗豊山派の寺院である。山号は「豊山(ぶざん)」。本尊は「十一面観世音菩薩」である。通称「初瀬寺(はせでら)」とも称される。この寺は、十一面観音を本尊として「長谷寺」と名乗る鎌倉の長谷寺をはじめ、日本各地に末寺240寺程度をもつ真言宗豊山派の総本山である。寺の始まりは天武天皇時代の朱鳥元年(686年)、僧の「道明上人(どうみょう)」が三重塔を建立、その後、神亀4年(727年)僧の「徳道上人」が東の丘(現在の本堂付近)に観音堂を建立、本尊十一面観音像を祀ったのが始まりと云われている。祀られている十一面観世音菩薩立像は、近隣の初瀬川に流れ着いた巨大な神木を、徳道上人が刻み観音像に作り替えたと云われている。高さ10メートルを超える金色の巨像は、右手に錫杖を持ち、左手には水瓶をもって大盤石(だいばんじゃく)に立つという珍し姿で、「長谷寺式の観音さま」と呼ばれている。
撮影日: 2019年9月3日(動画:2023年7月20日)
住所:奈良県桜井市初瀬町731-1