「本堂(観音堂)」
本堂は、弘化2年(1845年)に再建されたものである。本堂の正面奥には、札所の本尊「十一面観世音菩薩」が安置されている。
「薬医門形式の山門」
山門はシンプルで、土手の上にあり、門をくぐって石段を下ると本堂がある。(一般的には石段を上ると本堂である。)変わった地形になっている。
「本堂向拝」
本堂は、正面六間、奥行き五間の寄棟造で軒唐破風の向拝を持つ建物である。本堂は近年修復された。床造りの内陣の欄間には、鮮やかに彩色された龍などの透かし彫りがある。
「石仏と本堂」
寺の本尊として「阿弥陀三尊像」が祀られている。西善寺は「ぼけ封じの寺」の別名がある。寺の本尊、阿弥陀三尊の宝前で祈祷した肌着を着用すると、天寿を全うし(ぼけ封じ)安楽往生(ぽっくり往生)がかなうと云われている。このぼけ封じ肌着は、納経所で授与してもらえる。
「コミネカエデの下に並ぶ六地蔵尊」
「地獄」「餓鬼」「畜生」「修羅」「人間」「天」の六道を行脚する地蔵尊の姿を、それぞれ六体の尊像にあらわしたものがこの「六地蔵尊」である。
「なで佛」
境内に「半跏趺挫(はんかふさ)」の姿勢をした銅製の「なで佛=おびんずる様」がある。身体に痛みがある人は、「なで佛」の同じ場所をなでると痛みを癒してくれるといわれている。
「境内の楓(カエデ)」
山門をくぐると本堂前に樹齢約600年の巨大な「楓(カエデ=モミジ)」が境内いっぱいに広がっている。別名「こみねかえで」埼玉県の天然記念物に指定されている。
「こみねかえで」
通称「西善寺のコミネモミジ」と呼ばれる見事な楓(カエデ=モミジ)は、樹齢約600年という老木であるが、樹勢は衰えず、見るものに強烈な印象を与える。
「秋の紅葉」
楓(カエデ)と紅葉(モミジ)は、植物分類上は同じだが、紅葉の美しい種類を「モミジ」と呼ぶ。英語では「メープル」と呼び、カナダ産の「カエデ」の樹液からとったものに「メープルシロップ」がある。
「コミネカエデの紅葉」
コミネカエデは「ヤマモミジ」の品種と思われる。秋の紅葉は同一の木でも日の当たり具合によって紅、オレンジ、黄色に染まり、透き通るような美しさとグラデーションを楽しむことができる。
秩父札所第8番 清泰山・西善寺を動画でご覧ください。
「西善寺の御朱印」
「清秦山(せいたいざん)・西善寺(さいぜんじ)」
宗派/臨済宗南禅寺派 本尊/十一面観世音菩薩
山門をくぐると、境内の庭いっぱいに枝を張った一本の巨木がある。この巨木は樹齢約600年の「コミネカエデ」である。東西に20メートル、南北に18メートルも枝を張り、樹高が10メートルある。夏には巡礼者に木陰を提供し、秋は燃えるような紅葉を披露する。西善寺は、別名「ボケ封じ延命長寿の寺」「嫁・姑円満成就の寺」とされている。これは、西方浄土の「阿弥陀三尊」を祀るからだ。三尊のご利益により、この世を去るときは安楽往生できるとされている。毎月15日には「ボケ封じ長寿祈願会」も行われている。本堂は軒唐破風の向拝をもつ。外陣は土間になっており、床造りの内陣の欄間彫刻が見事だ。札所の本尊は「十一面観世音菩薩」で午年(うまどし)の総開帳以外は秘仏である。しかし、西善寺の本尊「阿弥陀三尊」は普段でも拝観できる。
撮影日: 2021年10月2日
住所:埼玉県秩父郡横瀬町横瀬598