秩父市民の憩いの場として親しまれている羊山公園は、桜の名所でもある。ソメイヨシノや枝垂れ桜、八重桜、あわせて約1000本が咲き誇っている。
枝垂れ桜は、江戸彼岸(えどひがん)という品種の枝垂れ性のものの名称である。
八重咲きする八重枝垂れや、紅色の濃い紅枝垂れなどの品種がある。
日本の花見は奈良時代の貴族の行事が起源だと云われている。「花」が桜の別称として使われ、女性の美貌が桜に例えられるようになったのもこの頃からである。
今年の冬の寒さにより桜の開花が全体に遅れたが、結果としてソメイヨシノと枝垂れ桜の開花が重なった。桜のピンク色の背景に秩父のシンボル武甲山が展望できる。
ソメイヨシノは、江戸彼岸(えどひがん)系の桜とオオシマザクラの交配で生まれた品種である。江戸の染井村の植木職人達によって育成され、「吉野桜」として売られていた。「日本園芸雑誌」において染井村の名を取り「染井吉野(ソメイヨシノ)」と命名した。
桜が満開を迎えた頃「芝桜の丘」の芝桜は2〜3分咲きである。桜の花が終わるとこんどは、広大な敷地に9種類・約40万株以上の芝桜が見渡す限りの花の絨毯(じゅうたん)となる。
チューリップと桜のコラボレーション。「芝桜の丘」は、まさに「桜花爛漫」という言葉どおりである。
芝桜の丘からほど近い場所に「ふれあい牧場」があり、多くの羊が飼われている。戦前に綿羊を扱う「埼玉県種畜秩父分場」が設けられていた。そのことが「羊山」の名前の由来となった。
桜や芝桜の開花中は芝桜の丘の隣では「秩父路の特産市」が開かれるほか、まちなかでも各種イベントが催される。
「見晴しの丘」から散策路を歩くと、葛葉稲荷神社の鳥居がある。参道の階段を上ると五穀豊穣の神様を祀った「葛葉稲荷神社」が鎮座している。
市民憩いの公園に桜、桜、桜、!!
羊山公園のソメイヨシノと枝垂れ桜の開花が重なり、まさに「桜花爛漫」という言葉どおりで、羊山公園全体がピンク色につつまれた。羊山公園は芝桜の植栽地でも有名な観光スッポットであるが、芝桜が見頃になる前にソメイヨシノや枝垂れ桜、八重桜など約1000本が咲き競う桜の名所でもある。枝垂れ桜は、薔薇(ばら)科の植物である。長い枝を垂れ下げ、その先端にたくさん花をつける。一重の花は開花が早く、八重の花は開花が遅い。ソメイヨシノなどの桜の枝は太陽に向かって伸びるが、枝垂れ桜は力が弱く重力によって地面に向かって伸びる。“樹齢何百年”という巨木になると、幹までが枝垂れてくる。人間が支え木などを施さないと元気に育たない。緑豊かな自然に恵まれた羊山公園は、市民の憩いの場として親しまれている。春の桜や芝桜をはじめとする四季折々の自然の風景は、公園を訪れる人々に自然の感動を与えてくれる。
羊山公園のある秩父市は、埼玉県北西部にある人口約6万3千人の市である。面積は、埼玉県内で最も広い市町村である。羊山公園は、武甲山から北に尾根状にのびる丘陵である。西に秩父市街を一望でき、南には武甲山の雄大な姿を間近に見ることができる。「羊山」の名称は戦前に県の綿羊種畜場が設けられていたからである。この名にちなんで公園内には「ふれあい牧場」がある。
撮影日: 2016年4月9日
撮影場所:秩父羊山公園
住所:埼玉県秩父市大宮6267