イチリンソウは、両生花で花弁(花びら)は退化し、表面が白色から薄紅色の五片の萼が花弁状に広がる。
イチリンソウの萼(花びら)の後ろ姿は、ほんのりピンクがかって優しいイメージである。
イチリンソウは、埼玉県各地に広く分布していたが、現在はその数が減少して「埼玉県準絶滅危惧種」に分類されている。
川口市の天然記念物に指定されている「安行原イチリンソウ生息地」の斜面林で大規模な盗掘被害が発生した。この被害で現在はパラパラ生息地となってしまった。
イチリンソウは、木陰の草むらや林床に生え、地下には横走する根茎(こんけい)があり、先端に3枚の羽状複葉をつけて、次々と四方に株を広げていく。早春になると白い5枚の萼花弁が開く。
ニリンソウ(二輪草)も咲いている。和名の由来は一本の茎に二輪の花が咲くことから来ている。イチリンソウ(一輪草)と同じキンポウゲ科の多年草である。
新緑から紅葉まで楽しめる、埼玉県指定の雑木林「ふるさとの森」である。イチリンソウ自生地は、この森の中にある。
期間中「安行みどりのまちづくり協議会」による、イチリンソウ関連のグッズや土産物が販売されている。
イチリンソウ生息地の入口には「萬葉植物苑」がある。「安行みどりのまちづくり協議会」による、万葉集で詠まれた植物を植栽掲示されている。季節ごとに観賞することができる。
「イチリンソウ自生地」入口、ここを入ると駐車場(約10台)がある。
安行原イチリンソウを
動画でご覧ください。
イチリンソウの自生地!!
イチリンソウ(一輪草)は本州から九州の山裾や広葉樹林内に生息する「春植物」である。キンポウゲ科(イチリンソウ属)の多年性の山野草で日本固有の植物品種でもある。3枚の羽状複葉をつけて、茎葉の間から1本の長い柄を出し、先端に直径4センチメートル程の白い5枚の萼花弁が開く。花弁はなく、白い花弁のように見えるのは萼片である。かつて、埼玉県各地の雑木林を中心に広く分布していたが、現在はその数が減少し、「埼玉県準絶滅危惧種」に分類されている。「ふるさとの森」・安行赤堀用水沿い斜面林保全緑地でイチリンソウが発見された1995年以来、地元の市民団体「安行みどりのまちづくり協議会」が保全に取り組んでいる。
「安行原イチリンソウ自生地」のある川口市は、埼玉県の南東部に位置する人口約60万人の市である。江戸時代に日光御成街道が整備され、川口宿と鳩ヶ谷宿が置かれていた。古くから鋳物や植木の街として有名である。川口市の天然記念物に指定されている「安行原イチリンソウ自生地」の斜面林で大規模な盗掘被害(2017年4月23日埼玉新聞)が二度発生した。雑木林の貴婦人と言われる「イチリンソウ」。盗掘被害に落胆する関係者は「悔しい」と語る。
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撮影日: 2021年4月11日
撮影場所:安行原イチリンソウ自生地
住所:埼玉県川口市安行原2269-1