長瀞は「日本さくら名所百選」に選ばれた桜の名所の町である。不動寺も桜の名所の一つで、裏山の斜面には約30種類500本の「八重桜」が咲き誇っている。
「鬱金桜(ウコンザクラ)」ウコン色(鬱金色)と呼ばれる淡黄緑色の八重咲きで、大輪花を咲かせる。開花時は黄緑色であるが、開花後、徐々に白くなり最終的にはピンクになってしまう。漢方薬のウコンとは別物である。
幹に咲く桜を「胴吹き桜」という。エネルギーの落ちた老木に見られる現象である。
「関山(カンザン)」は、日本原産の八重桜の代表種である。濃いピンク色で、花びらの重なりが多い。
八重桜は、染井吉野(ソメイヨシノ)が散るのと同じ時期に咲き始める。開花から散り始めまでの期間が比較的長い。
「八重曙(やえあけぼの)」は、福禄寿(ふくろくじゅ)とよく似た品種である。明治時代に東京の荒川堤から全国に広まった里桜(さとざくら)系の八重桜である。淡いピンクで外側の花弁の色が濃い。
祝いの席で用いられる「桜湯(さくらゆ)」は八重桜(五分咲き)の塩漬けである。湯飲み茶碗に入れて湯を差すと花びらが開いて湯の上面に浮いてくる。
八重桜は一つのサクラの品種ではなく、八重咲きに花を付けるサクラの総称である。サクラの代表にされている「染井吉野(ソメイヨシノ)」などの桜は一重咲きである。
梅の名所で知られている長瀞の宝登山(標高497メートル)を往復する宝登山ロープウェイ。不動寺はその山麓駅近くにある。
「不動寺 本堂」不動寺は真言宗醍醐派の寺院である。長瀞秋の七草寺巡り「撫子(ナデシコ)」の寺でもある。この不動寺の裏山が「通り抜けの桜」となっている。
通り抜けの桜を
動画でご覧ください。
八重桜のトンネル!!
長瀞町の宝登山の麓にある「長瀞山 不動寺(ちょうしょうざん ふどうじ)」の「通り抜けの桜」が満開の時期を迎えた。品種によって開花のずれがあるものの、八重桜系の品種30種類以上、約500本の八重桜が咲き誇る。ちょうどソメイヨシノが散るのと同じ時期から開花が始まり、4月下旬頃まで楽しむことができる。八重桜とは、一つのサクラの品種ではなく、八重咲きに花を付けるサクラの総称である。ボタン桜とも呼ばれている。「通り抜けの桜」は、不動寺本堂を起点に、本堂の裏山約800メートルの八重桜回廊を楽しみ、再び本堂前に戻ってくるコースが設けられている。
「通り抜けの桜」のある長瀞町は、埼玉県秩父郡にある人口約7千人の町である。秩父地方に属し、秩父盆地の北端に位置している。北に不動山や陣見山、南西に宝登山と山々に囲まれ、町の中央には荒川が南北に流れており、「長瀞渓谷」となっている。国指定名勝「日本さくら名所100選」のひとつとして選ばれている長瀞町は、春になるとソメイヨシノや枝垂れ桜、八重桜などで町全体が桜色に染まる。
撮影日: 2021年4月15日
撮影場所:長瀞山 不動寺
住所:埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞1753-1