「総門」 br>
道路に面した総門は、切妻造茅葺の四脚門である。山号の「金鳳山」の扁額が掛けられている。
「山門」 br>
山門は入母屋造茅葺の楼門で、左右には金剛力士像を配している。岩槻平林寺の山門を解体して野火止に移築後に補修した。実に350年以上の風雨に耐えている。
紅葉や黄葉は、木の葉の色素が分解され色が変化する。緑から赤になるものに「ナナカマド」がある。緑から黄色になるものに「イチョウ」がある。モミジ・カエデは緑から黄色、さらに赤に変化する。
「仏殿」 br>
本尊には釈迦如来坐像が安置されている。脇侍には迦葉尊者と阿難尊者が祀られている。
「放生池と弁天堂」 br>
池の水はかつて野火止用水に通じていた。中島には弁天堂がある。
「半僧坊感応殿」 br>
衆生(しゅじょう)の諸願を叶える大権現「半僧坊」が祀られている。毎年4月17日に、新座の春を告げる「半僧坊大祭」が行われる。
「松平信綱公一族の墓所(現在、大河内家墓所)」 br>
松平信綱は、江戸時代前期の大名で、川越藩主でもあった。官職名「松平伊豆守信綱」の呼称で知られる。
「松平信綱公一族の墓所の石燈籠」 br>
石燈籠とは本来は仏堂の献燈に用いられたが、江戸時代から寺の参道や入口に建立されるようになった。
秋の紅葉が美しい「楓(カエデ)」と「紅葉(モミジ)」は植物分類上、楓(かえで)科の植物である。カナダ産の「カエデ」の樹液からとったものに「メープルシロップ」がある。
平林寺の境内林は、「国指定天然記念物」に指定されている。境内林は1周約2.5キロメートルあり、木漏れ日を浴びながら1時間の散歩を楽しむことができる。
平林寺の紅葉を動画でご覧ください。
武蔵野の面影を残す雑木林が紅葉した!!
新座市野火止にある平林寺の境内と、43万平方メートル(13万坪)の境内林が真っ赤に色づき始めた。広い境内を歩く散策路は整備され、紅葉の境内ハイキングが楽しめる。モミジ、クヌギ、コナラの赤を中心とした樹木が多く、紅葉と古寺が風情のある空間を作り出している。平林寺は、臨済宗妙心寺派の寺院である。南北朝時代の永和元年(1375年)、現在の、さいたま市岩槻区に創建された。寛文3年(1663年)川越藩主・松平信綱の遺言によって野火止に移され、現在に至っている。岩槻には、「平林寺跡」の説明看板と「平林寺碑」が建っている。
平林寺のある新座市は、埼玉県南部にある人口約16万6千人の市である。市のほぼ全域が武蔵野台地に位置している。川越藩主・松平信綱は、多摩川から武蔵野台地を通す玉川上水を開削した。その後、野火止への分水が許され、野火止用水が作られた。主に飲料水や生活用水として利用された。現在は、自然を楽しめる「野火止緑道」として、平林寺の境内林と野火止用水が一体となっている武蔵野の風情を色濃く残す遊歩道として、多くの市民やハイカーに親しまれている。
撮影日: 2023年12月7日
撮影場所:平林寺境内
住所:埼玉県新座市野火止3-1-1