秩父のシンボル武甲山を背景に、1台の笠鉾(かさぼこ)と2台の屋台が山里から街中を巡行する。
恒持神社境内にて、囃し手たちが祭りの巡行安全祈願とお祓いを受けた。
大棚笠鉾(上組)の若行(わかぎょう)達が扇子を振って街中を進んで行く。
荒木屋台(本組)の若行(わかぎょう)達が大きな声を張り上げ、大勢の人たちが力を込めて綱を引っ張った。
秩父屋台囃子(ばやし)の演奏は、終始小太鼓に合わせて、笛と鉦が演奏される。
巡行の休憩タイムに荒木屋台(本組)では、可愛い女の子の曳き踊りが披露された。
中山田屋台(山組)では、小学生による長唄・雨の五郎の演舞が披露された。
恒持神社で神事が行われた後、猿田彦の先導で御旅所(八坂神社)への渡御行列が開始された。
渡御行列の最後は、太鼓の露払いに続き神輿(みこし)が運行された。
渡御行列が「御旅所(八坂神社)」に到着すると、神事が行われた。
山車(笠鉾・屋台)が方向転換するとき、山車の後ろにテコ棒をセットして2本のテコ棒に5〜6人がとり付いて後ろの車輪を上げ、ギリ棒をセットして方向転換する。
山車の車軸の潤滑油代わりに、伝統的にネギのヌメリを利用している。
夜になると笠鉾や屋台にぼんぼりが灯され幻想的な祭り風景になる。
夜には、スターマインなどの花火も打ち上げられ、大輪の花火が夜空を彩った。
祭りが終わりになると、3台の山車が収蔵庫への岐路に至る辻で曳き別れ式が執り行われ、祭りは最高潮となった。
秩父路に春を告げる祭り
秩父市山田にある恒持神社(つねもちじんじゃ)の春の例大祭である「山田の春祭り」が神社周辺で行われた。花笠で彩られた笠鉾(かさぼこ)1基と屋台2基が巡行し、秩父路に春を告げた。3基の山車はいずれも市指定有形民俗文化財で、上組(大棚)の笠鉾、山組(中山田)と本組(荒木)の屋台である。紅白の祭り衣装を身にまとった囃し手たちが、笠鉾と屋台に乗り込んで、秩父屋台囃子の調子に合わせて、扇を振りながら「ホーリャイ、ホーリャイ」と大きな声を張り上げながら御旅所「八坂神社」に向かって出発した。夜にはぼんぼりに明かりが灯され、スターマインなどの花火も打ち上げられ、大輪の花火が夜空を彩った。
「山田の春祭り」が行われた秩父市は、埼玉県の北西部の秩父地方にある人口約6万2千人の市である。高低様々な山岳・丘陵地帯に囲まれ、中央に秩父盆地が位置して、地域の8割を森林が占めるなど緑豊かな自然環境を形成している。秩父地方には神社仏閣が多く、祭礼の回数も年間400以上あると言われている。大きなお祭りは年間10ヶ所以上で行われているが、「山田の春祭り」は秩父地方の一番早い祭りである。
撮影日: 2018年3月11日
撮影場所:恒持神社
住所:埼玉県秩父市山田1606