「森の妖精」と呼ばれるセツブンソウ。草丈5〜15センチメートルで、かれんな白い花姿が来園者を楽しませてくれる。
「小鹿野町節分草園」は、5千平方メートルの広さで、セツブンソウの自生地としては、日本有数の規模といわれている。
セツブンソウは、ときに大群落を形成し、一面に白い花を咲かせる「春植物」である。
セツブンソウは、日本にしか生息してない「日本固有種」である。石灰岩地を好む植物である。
落葉樹林の斜面などに、まとまって自生する。寒い真冬に芽を出し花を咲かせる。地上で観賞できる期間が約2〜3ヶ月程度である。
花びらに見える部分は「萼(がく)」で通常(左)5枚ある。数は少ないが(右)6枚や7枚のものもある。
地面から花茎を伸ばして細く切れ込んだ葉っぱを開き、その先に白い花を1輪咲かせる。
セツブンソウは球根植物である。新緑のまぶしくなる晩春には茎と葉が枯れて、地下の球根は休眠に入る。
小鹿野町小森堂上にある「節分草園」前では、地元特産物も販売されている。毎年3月上旬には「節分草まつり」も開催される。
秩父山地は石灰岩地帯である。節分草園から約2キロメートル先には、セツブンソウが好む石灰岩の採石場がある。
かれんな白い花姿!!
小鹿野町両神小森・堂上地区の「節分草園」で、「森の妖精」と呼ばれている「セツブンソウ」が見頃を迎えた。セツブンソウは金鳳花(キンポウゲ)科の球根植物で、日本固有種である。本州・関東地方から西に生息している。石灰岩地を好む傾向があり、まばらな夏緑林の山すその半影地に生息している。秩父地方は石灰岩の地質で、セツブンソウのほかに、固有種の「チチブイワザクラ」など、石灰岩地の高山植物が群生している。名前の由来は、早春に芽を出して節分の頃に花をさかせることからこの名が付いた。
「節分草園」のある小鹿野町は、埼玉県西部に位置し、人口約1万1千人の秩父郡にある町である。町の西側には、日本百名山の「両神山」や日本の滝百選に選ばれた「丸神の滝」がある。歌舞伎の盛んな町でもある。小鹿野歌舞伎は200年以上の伝統を持ち、地元の神社の祭に氏子が中心となって歌舞伎を演じている。近年は、子ども歌舞伎や高校生の歌舞伎などの活躍が見られる。
撮影日: 2019年3月5日
撮影場所:小鹿野町節分草園
住所:埼玉県秩父郡小鹿野町両神小森・堂上地区(県道367号線)