ホラ貝や太鼓の音が響く中、山積みされたヒノキの葉に着火。「柴燈大護摩(さいとうおおごま)」が奉納された。
山伏(修験者)は、焼き尽くされた護摩壇の熱い灰の上を疫病退散などを祈願しながら素足で歩き渡った。
山伏(修験者)が見守る中、一般参拝者も素足で無病息災などを祈願しながら歩き渡った。
護摩壇を渡り歩く順番を待つ長蛇の列。靴や靴下を脱ぎながら順番を待っていた。
東京都品川区の品川寺や京都市の醍醐寺の山伏(修験者)らが道中を練り歩く「練行」前の清めを披露した。ちなみに「山伏(やまぶし)」とは、山中で修行をする修験道の道者で「修験者(しゅげんじゃ)」ともいう。山岳信仰者であり、山中での互いの連絡や合図の為にホラ貝を持っている。
宝登山神社参道ロータリーより、猿田彦の先導でお多福や獅子舞、山伏(修験者)一行の道中練り歩き「練行」が行われた。
山伏(修験者)や獅子舞の練り歩き一行が、ホラ貝の音に合わせて火祭り会場に入場、護摩壇に結界を張る。
「法斧の儀」行者が振り下ろす斧(おの)によって四方の穢れ(けがれ)を祓う儀式で、護摩壇の点火前に行われる。ほかに「法弓の儀」「法剣の儀」などの儀式も行われた。
「不動寺本堂」真言宗醍醐派寺院の不動寺は長瀞山五大院と号す品川寺(東京都品川区)の別院である。長瀞秋の七草寺巡りの撫子(ナデシコ)や春の枝垂れ梅、八重桜などの花寺で知られている寺院でもある。
長瀞は町の中央を「荒川」が流れている。荒川の両岸は国指定の名勝・天然記念物になっていて、なかでも岩畳や秩父赤壁が有名である。
長瀞火祭りを動画でご覧ください。
熱さに耐える荒行!!
秩父路に春の訪れを告げる恒例行事「長瀞火祭り」が、宝登山麓火祭り会場で行われた。京都・醍醐寺や品川寺から訪れた山伏(修験者)らが、刀や斧、矢で邪気を払う儀式を行い、山積みされたヒノキの葉に着火。太鼓やホラ貝の音が響く中、燃え盛る火の上を駆け抜けていった。長瀞火祭りが奉納された「長瀞不動寺」は、真言宗醍醐派の寺院で、長瀞山五大院と号す品川寺の別院である。火渡り荒行は「柴燈大護摩(さいとうおおごま)」と呼ばれ、野外で行う大規模な護摩法要のことである。柴燈大護摩は、京都・醍醐寺をはじめとする真言宗派修験道の法流を継承する寺院で行われる日本特有の仏教行事である。
「長瀞火祭り」が行われた長瀞町は、埼玉県の西部に位置し、秩父郡に属する人口約6,600人の町でる。長瀞渓谷をはじめとする数々の観光名所を有し、町の中央を「荒川」が流れている。恵まれた渓谷美を活かし、荒川のライン下りも有名な町である。
撮影日: 2023年3月5日
撮影場所:宝登山麓火祭り会場
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1753-1(不動寺駐車場)