「観音堂」
観音堂は、三間四面で表に一間の大唐破風の向拝を付している。神仏分離となったとき、明治3年(1870年)に、秩父神社境内の「薬師堂」を移築したものである。本尊「聖観世音菩薩」が安置されている。
「観音堂・向拝」
向拝と本陣を結ぶ「海老虹梁(えびこうりょう)」の龍の「透かし彫り」がすばらしい。熊谷宿、玉井の名工「飯田和泉(いいだいずみ)」の作である。
「蓮池」
本堂の左側に、夏に蓮の花が咲く小さな池がある。蓮池の先の石段を上ると観音堂がある。初夏には、石段の両脇にアジサイの花が咲き美しい風景になる。
「石仏群と文殊堂」
蓮池の奥の崖に沢山の石仏や石碑が並んでいる。眼病平癒祈願すればご利益あるといわれている「不睡石」など、さまざまな供養石碑が並んでいる。「文殊堂(もんじゅどう)」は、知恵の神様、文殊菩薩を祀っている。その横に「六地蔵尊」が並んでいる。
「子持石」
子持石と彫られた大きな木があり、そこに赤ん坊にそっくりの自然石がある。この石を抱いて一心に願いをかけると子宝に恵まれるとという伝説から、各地より子供のほしい夫婦が来訪し、この石を抱いて願掛けをする光景を見かける。
「長命水」
境内に井戸があり、その泉は万病に効くと伝えられている。その昔、この寺の住職が病に伏せっていると、夢枕に観世音が現れた。「この寺には万病に利く泉水がある。これを服せよ」との御告げに従って、庭の泉水を呑むと住職の病はたちまち回復した。これを村人にも伝えて泉水を「長命水」と呼ぶようになったという。環境の変化で現在は飲料に適さない。
「常泉寺の本堂」
田園風景のなかに建つ「常泉寺」、本堂の左側の石段を上ると観音堂がある。田園のなかの細い一本道を歩いて行くと、参拝者を仁王像が迎えてくれる。常泉寺の寺名は本堂前にある井戸(長命水)に由来する。この井戸は、干ばつでも干上がったことがないと云われている。
「参道を見守る仁王像」
秩父横瀬川にかかる山田橋を渡って左折し、少し歩くと右手にこの寺が見えてくる。秩父札所第3番の観音堂は丘の中腹、林の中にあって、静かな村落を見下ろすように東面して建っている。
秩父札所第3番 岩本山・常泉寺を動画でご覧ください。
「岩本山・常泉寺の御朱印」
「岩本山(いわもとさん)常泉寺(じょうせんじ)」
宗派/曹洞宗 本尊/聖観世音菩薩
この観音堂は、第二番の真福寺と同様の三間四面、回り廊下があり、向拝(こうはい)は唐破風(からはふ)付きである。これは明治三年、秩父神社にあった薬師堂を移築したもので、一番四萬部寺の観音堂を作った秩父の名匠、藤田徳左衛門吉久の造営と伝わる。本尊は聖観世音、立像一木造り、高さ約97センチメートル、室町時代の作である。札所の周囲には、長命水の井戸、眼病を祈る不瞳の石、子持ち石などの伝説を持っている。
撮影日: 2021年08月26日
住所:埼玉県秩父市山田1392