「本堂(観音堂)」
参堂から見える竹林を背にした本堂(観音堂)は素朴だ。石段を登って境内から一望できる武甲山の眺めがよい。
「参拝する巡礼者」
卜雲寺は「荻野堂(おぎのどう)」とも呼ばれていた。「卜雲寺」という珍しい寺名は、この寺の開基とされる嶋田与左衛門の法号が「卜雲源心庵主」である事に由来される。
「観音堂・向拝」
本尊「聖観世音菩薩」を安置している。聖観音菩薩は現在の場所より西方の池のほとりにあった萩野堂に安置されていたが、卜雲寺が萩野堂を管理するようになり、現在地に移り卜雲寺と一緒になった。
「境内の聖観音石仏像」
本尊は、行基作と伝えられる聖観音で、古くは武甲山頂の蔵王権現社に祀られていた。いつの頃か「とが池」にすむ大蛇をこの聖観音に祈願して村人たちが退散させた。
「地蔵尊の背後の武甲山」
よだれかけを重ねた地蔵尊を正面から拝むとその先に秩父のシンボル「武甲山」が堂々とそびえている。
「薬師如来堂」
薬師如来は、薬壺を持ち病気を治す仏として知られている。「如来(にょらい)」とは、「悟り(さとり)」を開いた人のことをさした言葉である。
「卜雲稲荷」
「稲荷神(いなりのかみ)」は、穀物・農業の神とされ、日本で最も広範に信仰されている神である。稲荷神は神仏習合時代、仏教の女神である「荼枳尼天(だきにてん)」とも習合したため、仏教寺院で祀られていることが多い。
「参道の願い地蔵」
本堂への急坂を上っていくその途中に「願い地蔵」がたたずんでいる。子育て延命地蔵として厚く信仰されている。
秩父札所第6番 向陽山・卜雲寺を動画でご覧ください。
「卜雲寺の御朱印」
「向陽山(こうようさん)・卜雲寺(ぼくうんじ)」
宗派/曹洞宗 本尊/聖観世音菩薩
卜雲寺の本尊は古代末期より発生した山岳信仰の流れをくむ蔵王権現社の本尊として長く武甲山頂にあり、その後山岳信仰の推移とともに「荻野堂(おぎのどう=現在の卜雲寺)」に移され長享年間(1487頃)の札所編成により卜雲寺管理となった。卜雲寺と武甲山の関係は札所成立期の歴史的背景として貴重である。卜雲寺の寺宝として清涼寺式釈迦像、縁起絵巻がある。観音堂は明治9年(1876年)の火災で焼失、現在の本堂(観音堂)は明治41年(1908年)に再建されたものである。
撮影日: 2021年10月2日
住所:埼玉県秩父郡横瀬町1430