「駅から一番近い札所」
駅から一番近い札所「慈眼寺」。秩父鉄道の御花畑駅から徒歩約1分、西部鉄道の西部秩父駅から徒歩約5分、徒歩巡礼をこの寺から始める人が多い。季節の花が植えられた花壇が美しい。
「瓦葺の山門」
慈眼寺の山門は、薬医門(やくいもん)形式の切妻造りの黒門である。門柱(本柱)の後ろに控柱が2本設けられた門である。薬医門は、医院の門扉に使用されたのが名前の由来と云われている。
「観音堂・向拝」
向拝の「玉巵弾琴(ぎょくしだんきん)」の彫刻がすばらしい。「玉巵」は中国の神話上の女神の娘で、一弦の琴を弾き、白龍に乗って飛んでいる彫刻である。「大悲閣(だいひかく)」の扁額が掲げられている。観世音菩薩の像を安置した仏堂・観音堂をいう。堂内には、本尊「聖観世音菩薩」が安置されている。
「本堂・観音堂」
三間四面の入母屋造りの正面に千鳥破風をつけた観音堂である。明治34年(1901年)に再建され、現在にいたる。その昔、日本武尊が東征の際、この地に「旗」を立てたところから「旗の下」の地名が生まれた。この寺の山号「旗下山(きかざん)」もこれに由来している。
「薬師堂」
慈眼寺は「目のお寺」としても知られている。薬師堂には「薬師瑠璃光如来」が祀られている。眼病治癒に霊験があるとされている。毎年7月8日の縁日は「あめ薬師」と呼ばれ、境内に多くの露店が並び、大勢の人手で賑わう。
「目薬の木(メグスリノキ)」
本堂・観音堂の前に「目薬の木(メグスリノキ)」が植えられている。カエデ科の植物で山地に生えている。樹皮に目に良い成分があり、この樹皮を煎じて目の洗浄薬にしたところからこの名前になった。納経所でメグスリノキの成分を用いた茶や飴を販売している。
「地蔵堂」
山門正面の右角に地蔵堂がある。この地蔵尊は、子育て地蔵尊で、水難、疫病除けの利益があると信仰されている。「秩父十三番補陀所」の石碑がある。「補陀所(ほだじょ)」と記しているが「札所」と同じ意味である。
「鐘つき堂」
手水舎の後ろにそびえている「鐘撞き堂」夕方6時に時を知らせる「時の鐘」である。
「経蔵」
石造りの「経蔵」。市の文化財となっている「一切経」が奉納されている。建物中には輪蔵形式の経庫があり、心柱の上に六角灯篭形の経蔵を置いて回転できるようになっている。礼拝しながら7回転させると、「一切経」を全て読んだ功徳があると云われている。
「福寿稲荷大明神」
この「福寿稲荷」は、寺の鎮守を司り、火災盗難の予防の利益があると信仰されている。
秩父札所13番 旗下山・慈眼寺を動画でご覧ください。
「旗下山・慈眼寺の御朱印」
「旗下山(きかざん)・慈眼寺(じげんじ)」
宗派/曹洞宗 本尊/聖観世音菩薩
この札所の本尊は聖観世音菩薩で、お堂は、三間四面、表軒唐破風つきの流れ向拝をふして、入母屋づくりの屈指の建物である。明治11年(1878年)の秩父大火に焼失し、明治34年(1901年)に再建され現在にいたる。屋根の正面に千鳥破風、唐破風様の流れ向拝を付け、軒下の彫刻や絵画のある格天上は見事だ。慈眼寺境内にある薬師堂は、目の守り本尊として有名でお堂いっぱいに「め」と書かれた絵馬が奉納されている。街の中心の一角にあるこの地は、昔より霊地としてその名も高く、日本武尊が東征の際、この地に「旗」を立てたところから「旗の下」の地名が生まれた。慈眼寺の山号「旗下山(きかざん)」もこれに由来している。
撮影日: 2021年09月20日
住所:埼玉県秩父市東町26-7