「龍石寺の境内」
龍石寺・観音堂は、荒川の東岸の丘陵上にある。参道を入ると六地蔵尊が出迎えてくれる。境内には石仏が佇み、観音堂に向かって左手に「三途婆堂(さんずばどう)」が建っている。
「渡船場への石段」
荒川の浸食でできた河岸段丘上に露出した大きな一枚岩「角礫質砂岩(かくれきしつさがん)」の上に「観音堂」が建てられている。荒川を挟んで対岸にある札所20番「岩之上堂」も同じで、昔、渡し舟で往来した名残の「渡船場」への石段の遺構が今でも残っている。
「本堂・観音堂」
観音堂は七間半四面の宝形造りである。龍石寺の草創については不詳であるが、昭和48年(1973年)に現在の観音堂が修復再建された。この修復工事のときに、宝永2年(1705年)の墨書が発見され、観音堂の建築年代が判明した。
「観音堂向拝」
弘法大師が「千手観世音菩薩」を刻み、村人達が悪龍を退治しようと観音様に念じたところ、龍を退治してくれた。村人達は観音堂を建てて、この「千手観世音菩薩」を本尊として安置したのが、この寺の始まりと云われている。
「身代わり地蔵尊」
観音堂の右脇に立つ「身代わり地蔵尊」。江戸時代の仏教の文献に、重病に苦しむ人が「地蔵尊」に病気平癒を願うことによって、病気が全快するという事例が多く記載されている。この地蔵尊も人間の身代わりになって苦しむ人を救ってくれる利益あると信仰されている。
「三途婆堂」
観音堂に向かって左手に「三途婆堂(さんずばどう)」が建っている。堂内には、三途の川の渡し船の代金として、死者の服をはぎ取るという「奪衣婆(だつえば)」と「閻魔大王(えんまだいおう)」、なで仏の「賓頭廬(びんずる)尊」の三尊が祀られている。
秩父札所第19番 飛淵山・龍石寺を動画でご覧ください。
「飛淵山・龍石寺の御朱印」
「飛淵山(ひえんざん)・龍石寺(りゅうせきじ)」
宗派/曹洞宗 本尊/千手観世音菩薩
この札所は、大きい一面の岩盤上に建てられている。観音堂は七間半四面表流れの向拝をふした「宝形造り(ほうぎょうづくり)」だったが、屋根が傷み、雨もりがひどかった。諸仏を他の寺に預け地元観光協会の青年部が中心となり、浄財を募り昭和48年(1973年)に解体復元された。本尊「千手観世音菩薩」は寄木造り坐像、像高1尺5寸(約46センチメートル)で、室町時代の作といわれている。昔、村人達が悪龍を退治しようと観音様に念じたところ、龍を退治してくれた。それから、村人達はお堂を建て、「千手観世音菩薩」を安置した。これが、この寺の始まりといわれている。
撮影日: 2021年09月13日
住所:秩父市下大畑町15-31