「巨大な岩壁を背に立つ観音堂」
橋立堂へは荒川の支流、橋立(はしだて)川に沿った道を行く。この道は武甲山への裏参道(西参道)である。この道より坂道と石段を上ると、高さ約75メートルの巨大な岩壁を背にして堂が建っている。
「橋立堂(観音堂)」
大岩壁を背にした観音堂は、三間四面の流れ向拝を付した方形銅板葺で、宝永4年(1707年)の建立といわれている。
「観音堂・向拝」
観音堂の軒下には、「観音霊験記」の扁額のほかに、馬の群が遊ぶさまが描かれた絵馬が左右に掲げられている。堂内には、本尊「馬頭観世音菩薩」が安置されている。西国、坂東、秩父の百観音霊場で馬頭観音を本尊とする寺は、この橋立堂と西国29番の松尾寺だけである。
「馬堂(うまどう)」
江戸時代の伝説的彫刻師「左甚五郎(ひだりじんごろう)」作という栗毛と白馬の二頭の馬の木像が安置されている。
「躍動感あふれる馬の銅像」
馬頭観音と掲げられた馬の銅像である。馬は、昔から旅や運送、農耕に役立つ大切な動物として飼育されてきた。このように馬とのかかわりが強い橋立堂は、馬の観音様として信仰されている。
「納経所・鍾乳洞入口」
観音堂に向かって左手に納経所があり、橋立堂の奥の院でもある「橋立鍾乳洞」の入場券売り場ともなっている。鍾乳洞は12万年前にできたものといわれ、縄文時代の住居跡でもある。洞の長さは約130メートルで、高低差が約33メートある。
秩父札所二十八番 石龍山・橋立堂を動画でご覧ください。
「石龍山・橋立堂の御朱印」
「石龍山(せきりゅうざん)・橋立堂(はしだてどう)」
宗派/曹洞宗 本尊/馬頭観世音菩薩
石龍山・橋立堂は、高さ約75メートルもある石灰岩の直立した岩壁下に建てられ、観音堂は三間四面で江戸中期の建立のものといわれている。本尊は秩父札所唯一の「馬頭観世音菩薩」で、西国、板東、秩父の日本百観音のなかでも西国第29番の「松尾寺」と秩父第28番のここ「橋立堂」だけである。その昔、弘法大師が柚(ゆず)の老木を刻んで馬頭観音とし、ここに安置したのが始まりといわれている。納経所の側には、橋立堂の奥の院でもある「橋立鍾乳洞」の入口があり、全長約130メートルに及ぶ洞内を探索する事ができる。
撮影日: 2021年10月4日
住所:埼玉県秩父市上影森675