「本尊・馬頭観世音菩薩(前立ち像)」
本尊・馬頭観世音菩薩坐像は、秘仏である。中国から渡来した「威光(いこう)上人」が慶雲5年(708年)馬頭観音像を安置したのが始まりとされている。
「仁王門」
石段の上に立つ仁王門。江戸時代中期に建てられたと云われている。12柱門形の風格のある建物である。「青葉山」の山号が書かれた扁額が掲げられている。
「本堂への石段」
110段の石段を上り、仁王門をくぐり、さらに石段を上がると本堂がある。数多くの巡礼者で石段がすり減って、歴史を感じる札所である。
「本堂(観音堂)」
松尾寺は、京都府と福井県の府県境にある「青葉山」の中腹に建っている。青葉山は、東峰(693m)と西峰(692m)からなる山である。本堂は、二重屋根をした宝形造りの特徴のある建物である。
「本堂・向拝」
本尊は、西国三十三ヶ所で唯一の「馬頭観世音菩薩像」である。10世紀末、観音の加護で海難を逃れた漁師の「春日為光」が刻み、開山した「威光(いこう)上人」の観音を胎内に納めたものと云われている。
「神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)」
神変大菩薩は、「じんべんさん」の名前で親しまれている。役行者(えんのぎょうじゃ)・役小角(えんのおづぬ)といった呼び名でもよく知られている。山岳信仰の第一人者であり、足腰の弱い方を救済してくれると信仰されている。
「大師堂」
本堂から渡り廊下でつながっている建物が「大師堂」である。真言宗の開祖「弘法大師(こうぼうだいし=空海)」を祀る堂である。
「鐘楼と大銀杏」
「袴腰付き鐘楼」の左脇の「大銀杏」は、舞鶴市指定の天然記念物である。元永2年(1119年)羽鳥天皇が手植えした銀杏と伝えられている。
「慈母地蔵尊」
境内に安置されている慈母地蔵尊。合掌して子供を抱いている地蔵尊は、水子の母親代わりの慈母地蔵尊である。慈母地蔵尊のもとは慈母観音菩薩で、母が子へ与える愛情のように深い慈愛の心を持った観音菩薩である。
「六所神社」
松尾寺境内に「六所神社」が鎮座している。社名は六つの神社を合祀したものである。現在は松尾寺と無関係であるが、神仏習合の名残かも?
西国札所第29番 青葉山・松尾寺を動画でご覧ください。
「青葉山・松尾寺の御朱印」
「青葉山・松尾寺」
西国札所第29番の「松尾寺(まつのおでら)」は、丹後國(たんごのくに)現在の京都府舞鶴市字松尾にある、真言宗醍醐派の寺院である。山号は「青葉山(あおばさん)」、本尊は「馬頭観世音菩薩」である。この寺は、京都府舞鶴市と福井県高浜町の府県境にある「青葉山」の山腹に位置している。青葉山は、東峰(693m)と西峰(692m)からなる山である。福井側から眺めると、二つの峰が重なって見える秀麗な姿から「若狭富士」と呼ばれている。慶雲5年(708年)中国から渡来した「威光上人(いこう=唐の僧)」が母国の霊山・馬耳山(ばじさん)に似た青葉山に登り、松の大樹の下で馬頭観音を感得し、その姿を刻んで草庵(小さな茅葺きの堂)に祀ったのが始まりと云われている。後に、このことを知った「元明天皇」が本堂を建立、「松尾寺」と名付けられたと云われている。織田信長の兵火にかかり、堂・塔などを焼失したが、「丹後田辺城主(舞鶴城)」により現在の寺が再建された。
撮影日: 2019年6月6日(動画:2023年8月29日)
住所:京都府舞鶴市字松尾532